歯並びだけでなく噛み合わせを矯正するインビザライン
「噛み合わせ」とは、上下の歯列を合わせた状態のことを言います。
そして「良い噛み合わせ」は、上下の奥歯が、左右でバランスよく接触し、上の前歯が下の前歯に2~3ミリかぶさっている状態です。一方で「悪い噛み合わせ」は、「良い噛み合わせ」の条件を満たしていない状態全般を指します。たとえば、上の歯列と下の歯列が左右にズレていたり、左右の奥歯で均等に接触していないケースなどがこれに当たります。
噛み合わせが悪いと、食べ物を正しく噛めないばかりか、一部の歯や歯茎だけに偏った力がかかり、虫歯や歯周病の原因にもなります。その他、顎関節症や首の痛み、肩こりなどとの関係も指摘されており、歯並びとともに、お口や身体の健康に大きく関わっていると言えます。
インビザラインを使った矯正治療では、歯並びはもちろんのこと、この噛み合わせを改善することも可能です。
噛み合わせが深い!?インビザラインで矯正が可能です
噛み合わせが深くなっているタイプの不正咬合を、「過蓋咬合」と言います。上下の奥歯を噛み合わせたときに、上の前歯が、下の前歯に大きく被さっている状態です。歯のすり減り、歯並びの悪化、顎関節症のリスクを高めてしまいます。
この過蓋咬合も、インビザラインでの改善が可能です。小臼歯を引っ張り出し、高く噛み合うようにしてあげる方法での対応となります。噛み合わせにまで配慮してインビザラインの設計を行うことで、見た目だけでなく機能面・健康面でも優れた治療が可能になるのです。
その他、噛み合わせに関係する悪い歯並び
歯並びと噛み合わせは、密接な関係にあります。一見して歯並びがきれいであっても、噛み合わせが悪いと、その後徐々に歯並びが乱れてしまうことがあります。
出っ歯
上の前歯が、下の前歯より大きく前方に出ている状態です。正式には「上顎前突」と呼ばれます。
無意識に口が開いてしまい、口腔内の乾燥や不衛生を招きます。また、「食べ物を噛み切る」という前歯本来の役割がうまく機能しなくなります。
受け口
下の前歯が、上の前歯に被さっている状態です。正式には「下顎前突」と呼ばれます。
サ行やタ行の発音のしにくさ、咀嚼の不十分を招きます。骨格に問題があり、外科的な治療が必要になることもあります。
すきっ歯
歯と歯のあいだに隙間がある状態です。正式には「空隙歯列」と呼ばれます。
食べ物が詰まりやすいため、虫歯・歯周病のリスクが高まります。
ただし、乳歯列期の軽度のすきっ歯は、過度に心配する必要はありません。多くの場合、永久歯への生え替わりにより改善します。
叢生
スペースが不足しているために歯が重なり、ガタガタになっている状態です。
汚れが溜まりやすく、虫歯・歯周病の原因になります。
八重歯
正式には「叢生」のうちの1つですが、一般的には、犬歯が正しくない位置に生えている状態を言います。
汚れが溜まりやすく、虫歯・歯周病のリスクを高めます。「噛む」という歯の大切な役割をほとんど果たせないケースも見られ、他の歯の負担が大きくなります。